Web技術トピック&コラム

Web/App Column 2015.06.23 (Tue)

コストをかけずに「ペルソナ」を作ってみよう!

ペルソナとは

マーケティング手法の一つで、自社サービスを利用するユーザーはどのような性質を持った人なのかを仮想の人物として定義していきます。

具体的には下記のようなことを想定します。
氏名、年齢、性別、居住地、職業、勤務先、年収、家族構成、性格、人生のゴール、ライフスタイル、価値観 、趣味嗜好など

そのデータを元に、新しいアプリ(サービス)を制作するヒントとして活用していきます。
仮想した人物をいかに満足させるかを考えるのです。

「ペルソナ」を作る費用

下記参考サイトにあるように、ペルソナ作成を得意とする会社に依頼すると300万円~600万円ほどかかるそうです。
信頼できる膨大なリサーチ情報の収集と分析を行おうと思うと、数か月かかってもおかしくないので、そのくらいの費用はかかるのでしょう。

参考サイト
Web担[体験レポート]やってみましたペルソナ作り――これがウェブサイト向けペルソナの作り方だ

「ペルソナ」を作るメリット

しかし、下記「ペルソナ」を作るメリットがあるなら、費用をかけずとも、自社内でできることはやっていくべきだと考えます。

具体的なメリットとしては、
・チーム内でのユーザー対象の意思統一化
・思い込みによる想定ミスを回避
・対象となるキーワード選定

など、企画・アイデア・構築の段階で有効活用できます。

今回は、費用をかけずにペルソナを作成する方法 を弊社の子供向けアプリを題材にレポートします。
まずは、いろいろなアクセス解析ツールを使用して、ユーザー情報を収集します。

Google Anlyticsアクセス解析の活用

アクセス解析の対象としては弊社アプリの最近の代表作「アンパン工房」を見てみます。
アプリもwebサイトと同様に「Google Anlytics」で下記のような情報を取得することができます。(対象期間:2015/05/18-2015/06/17)

■デバイスとネットワークのサマリー

OSバージョン

OSバージョン

AndroidとiOSの比率はほぼ半々。少しAndroidが多いです。
Androidユーザーの方がヘビーユーザーが多いイメージがあったので、子供向けアプリはiOSの方が多いと想定していたので、意外な結果でした。

端末モデル

端末モデル

子供向けということで、iPad比率がとても高いですね。
その他にも、ネットワーク、画面解像度なども取得できます。

■ユーザー サマリー(ユーザー・セッション数)

ユーザー サマリー(ユーザー・セッション数)

金曜日と土曜日に使用することが多いようです。
日曜日は低いのが意外ですね。
リピーターが80%と高めです。何度もプレイしてくれているのですね。

■行動 スクリーン

アプリの各画面ごとのアクセス数も設定可能です。

行動 スクリーン

1.title →タイトル画面 29,274(25.86%)

2.desc→遊び方画面 21,306(18.82%)

3.select→作るパンの選択画面 20,069(17.73%)

4.main→パンの生地をコネコネする画面 18,460(16.31%)

5.anime →かまどでパンを焼くアニメ画面 12,351(10.91%)

6.end→パンの完成画面 11,736(10.37%)

「パンの生地をコネコネする画面」の後の数値が下がっていました。
「コネコネする画面」の離脱率が高いということです。
おそらく、パンをこねる回数が多すぎたのでしょう。
対策として、パンのこねる回数を減らすアップデートを行いました。
多少改善されましたが、もっとこねる回数減らしてもいいのかもしれません。

■新規ユーザーとリピーターでの違い

新規ユーザーとリピーターでの行動の違いも注目すべきでしょう。
(「セグメント」から簡単に絞り込みが可能です。)

「コネコネする画面」の離脱率でみてみると、
新規ユーザー:7.85% リピーター:14.39%
意外とリピーターの方が離脱率が高かったです。
初めてプレイした時は、モチベーション高く遊ぶけど、
何回か遊ぶうちに単純作業で飽きてしまった可能性が高いのではないでしょうか。
何度もプレイしても飽きさせない工夫が今後は必要です。

■カスタムレポートで時間帯の訪問数

「カスタムレポート」でセッション数に対する「時」を設定すると、
時間帯の訪問数もわかります。

カスタムレポートで時間帯

早速試してみると、なぜか夜中から朝方4時が多いという結果に…。

カスタムレポートで時間帯

調べたところアナリティクスのタイムゾーンがアメリカになっていました…。
ちなみに「ビュー設定」でタイムゾーンは変更できます。
正しい日本時間に変換すると20時、21時がもっともアクセス数が多いようです。

■ユーザー コホート分析

新規インストール後、何日間維持されるかの使用率がわかります。

ユーザー コホート分析

インストール後、1日後には75%が使用しなくなり、7日後には92%が使用しなくなるという結果が出ています。

Appアナリティクスの活用

2015年5月くらいから、管理画面のitunesconnect上でiOS独自の詳細なアナリティクスが閲覧できるようになりました。

Appアナリティクス

特にアプリ側にSDKの埋め込み等は不要なので、とても便利な機能です。
ただ、計測データに含まれるのは iOS 8以上のデバイスのみです。
さらに診断データ送信に同意したユーザーのみの数値なので、他のツールより低めの数値です。

Appアナリティクス

App Storeでの 閲覧数が見られるほか、
webサイトから遷移してきた結果も見られます。

■トップWebサイト

「ゆめある」のサイトからの流入で28回App Storeで閲覧され、そのうち14回ダウンロードされているので、ダウンロード率はとても高いです。

他にも、「使用率」など閲覧できますが、全般的にはGoogle Analyticsの方が、数値的にも信頼できる印象です。

Youtubeでのユーザー解析

25~34歳の女性(F1層)が一番多いです。

Youtubeでのユーザー解析

わずかですが、意外と男性の方が多いです。

Facebookファンページのユーザー解析

Facebookはユーザーが詳細な個人情報を入力しているので、
具体的なユーザー解析には一番向いているのではないでしょうか。

■曜日・時間帯

facebook 曜日・時間帯

曜日には特に差は無いようです。
時間帯は、やはり21時あたりがもっとも多いです。

■ユーザー層

facebook ユーザー層

25~34歳の女性が一番多いです。
あとなぜか大阪のファンが多いようです。

さらに詳細な趣味嗜好などを知りたい場合は、個人アカウントで実際に「いいね」を押してくれたユーザーのプロフィールとウォールを数人見るとよいと思います。

[プロフィールとウォールを見て気づいたこと]
・プロフィール写真およびカバー写真は自分ではなく子供の写真を使っている
・投稿も多くの人が自分の子供の学校のイベント・写真を投稿している
・他のFBいいねページ:飲食店、美容店、温泉、かわいくママなど育児サイト

25~34歳の女性(F1層)のマーケティング的な特徴

一目ぼれで衝動買いし、よいものならSNS等で情報発信(口コミ)する傾向があるようです。

参考記事:サンケイリビング新聞社「F1層の消費動向」
http://www.sankeiliving.co.jp/research/ol/0922.html

そのため、口コミしやすいように、アプリ内にも、レビューやSNSへの投稿への誘導リンクを設置したり、一番最初に目にする1024アイコンはシンプルでインパクトのあるものにすると効果的ではないかと考えます。

ペルソナの作成

それでは、ここまで収集した情報をまとめて、具体的なペルソナを作ってみましょう。
もちろん極力想像ではなく、数値的裏付けで具体的な人物像を作ります。

名前 亀田さやか
年齢 33歳
性別 女性
住所 大阪市
職業 事務
家族構成 1歳の娘、4歳の息子、夫36歳
価値観 家族の健康が一番。いつまでも仲良く一緒に暮らしたい
現状持っている悩みや課題 子育てが忙しく、自分の趣味の時間が少ない
情報源、情報収集の方法 HPの口コミ、友達、同僚
インターネットの利用状況 こどもの寝かしつけが終わったあとにスマホ・タブレットで閲覧
アプリの利用状況 ・LINEで友達とやりとり
・食後に子供と一緒に子供向けアプリ
・子どもと移動中時間つぶしに
アプリの
ダウンロード動機理由
・かわいいイラストが気になった
・友達が使ってた
・オススメアプリにあった
どんなアプリがほしいか? ・ちょっとした時間に息抜きがてら親子で楽しめるアプリ
・友達と共有できるアプリ
子供向けサイトの
閲覧動機理由
・生活・子育てに役立つ情報はないかな?
・友達にシェアして教えたくなる情報は無いかな?
SNSでの投稿・シェア内容 ・親子で参加できるクッキング教室の情報
・近所の美味しいランチなどグルメ情報
・子供のイベント(入学式、運動会など)

●まとめ

コストをかけないためにもっとも重要なことはFacebook上のリサーチでしょう。
ここで得た「ペルソナ」お情報を宝の持ち腐れにしないためにも、はじめに書いたメリットで最大限に活用してきましょう。

方向性に迷ったときは、ペルソナの「○○」さんならどう思うだろうと考えれば、
光、道筋は見えてくるのではないでしょうか。

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